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春夏秋冬それぞれの葬儀事情

長年葬儀に携わっていますと、季節により葬儀の様子が少しずつ異なるのがわかります。
また、「お問合せ」や「葬儀依頼のお客様」から承る質問やご相談も、この時期だからこそと思われるものがあります。

「もしこの時期に亡くなっても、お葬式はしてもらえるのですか」と心配されるのが、年末年始、特に葬儀がお正月頃と予想される場合です。
一般的には年末は31日の最後の日まで、そして年始は、元日以外はいつでも葬儀を執り行いますが、31日にお通夜を行う事はなく、元日にお通夜や葬儀告別式行う事もありません。ただ、場所により火葬場の休みの日が異なる事から、全てがこれに当てはまる訳ではなく、葬儀は火葬場が休みではなく受付をされている限り行われます。

そして、その際にもうひとつ質問されるのが、「年末年始では葬儀費用は高くなるのですか」です。少なくとも私どもでは、葬儀費用は1年を通して何ら変わる事はないです。
何故なら、お亡くなりになる時がその方の寿命であると考えるならば、自身でその日を選ぶ事もできず、ならばいつお亡くなりになられても差をつける事はあってはならない、との考えを持っているからです。
ですから、どうぞご安心くださいませ。

春夏秋冬を通して、ちょっとした心遣いの違いとしまして、セレモニーレディが必要な葬儀では、弔問者・会葬者にお出しする、おしぼり・お茶は、夏は冷たく冷やしたものをお渡しし、反対に冬ならば温かいおしぼりと、熱いお茶をお出しします。
その他の季節では、その時の気候から判断いたします。

来客テントの中で使用する備品も異なり、夏には扇風機、蚊取り線香、鯨幕も涼しげなグレー色で。そして、当家には「暑い中をお待ちいただく弔問・会葬者様のお体に少しでも負担のないように、必要に応じて日よけとなるテントのご用意を」とアドバイスさせていただきます。

また、冬は暖をとっていただく為の暖房器具をご用意します。そして、テントには風が入らないように風除けの幕を張ります。暖房器具の種類はケースバイケースでお選びしますが、外では炭、式場内やテント中ではストーブを使用する事が多く、置かれる場所に応じ「効率的にそして危険のないものを」とアドバイスを差し上げております。

私自身お友達とのお茶の約束も、PTAのお手伝いもなかなか思う通りにならないのが冬で、お友達から「葬儀社は冬が一番忙しいと言う事を初めて知ったけど、一年を通して忙しいとか忙しくないとかがあるのね」と、よく言われます。
実はその通りで、とても不思議な事なのですが、一年中で葬儀社が最も忙しくなるのは必ず冬。毎年変わらず冬なのです。
"冷え込む大気のせいかな"と思ったりもするのですが、病院・施設などにいらっしゃる場合、建物内の温度調整はなされ、昔ほどに冷えを感じることはあまりないでしょう。
ですが、同じように体力的にきついと思われる夏以上に、何故か毎年冬が忙しいというのは、未だに不思議です。

冬はご当家様にとっても、火葬場や斎場・式場の空き具合により日程が延びたり、場合によりご希望の式場では執り行えなったりなどがあります。
また費用的にも、霊安室でのご安置が余儀なくされる事で、あるいは暖房器具の使用などにより、負担が増す事が考えられます。

花に関して言いますと、とても繊細なものであるだけに、1年を通し、花の扱いや温度管理には細心の注意を払う必要があります。
夏は、冷蔵庫から出すと、つぼみでも一気に開花し、腐りやすく枯れやすい花を式当日まで美しく保てるように。
反対に冬は、いつまでも硬いつぼみのままの花を、いかに思う通りの開き具合にさせるか、寒さゆえの花の状態に頭悩ます時期でもあります。
特に、同じ花でも、つぼみから開花まで微妙に異なる花の開き具合が美しいグラデーションとして表現される飾り付けは、式当日が一番美しい状態であるように計算し尽した上でのもので、これは経験が成せる技と言えます。

"夏だから"と言う事では、今年の夏も、水に関する事故でお亡くなりになられた方のご葬儀を多く承りました。
ご家族の方は警察からの知らせで初めて知る事となり、何が何かわからないまま、現実感のないまま急いでご葬儀の段取りをされる・・・、とても悲しくつらいお別れを何度も立ち会いました。
葬儀に携わる者として、夏は・・・気持ち的に重いです。

でも、一年を通して変わる事がないのが、祭壇を飾る花の美しさです。
いろんな方のいろんな祭壇をおつくりする時、祭壇の花の美しさは、花の種類や花の数ではなく、故人そして関わりのある全ての方の想いや気持ちが凝縮され映し出されているから・・・このように感じるのは、春夏秋冬のどの季節に於いても決して変わる事はありません。

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